「本物のオタク」の価値が転職市場で急上昇中! - 求人にゅーす

    「本物のオタク」の価値が転職市場で急上昇中!





    バランスの取れた人より、尖った強みのある人

     最近、企業の評価ポイントとして価値が高まっているのが、自分の興味のある分野へ強烈に傾倒する人、いわゆる「オタク」です。バランスのとれた人より、何か尖った強みや専門性を持つ人がより高く評価される傾向にあります。

     先日、ITコンサルタントへのキャリアシフトを希望するエンジニアの候補者がいらっしゃいました。スキルの高い方で、顧客に最適なシステムを考える段階から開発に携わりたいと考えたのが、転職活動を始めるきっかけでした。しかし、率直にいうとあまり話の上手なタイプではなく、顧客と上手に折衝できるイメージが持てませんでした。

     そのため「ITコンサルタントへの転職は難しいのではないか」と我々は懸念していたのですが、結果としてあるコンサルティング会社から非常に高い評価を受け、好条件で転職されました。採用企業が評価したのは、面接で得意分野の話になると普段とは打って変わってエネルギッシュになり、場の雰囲気を変えるほどのパワーを発揮したことでした。

     以前、自宅にLANを張り巡らし、プログラムを書いたり機器をチューニングしたりして、ネットワークの速度を計測して遊んでいるというエンジニアもいました。この候補者は仕事とは関係なく自分の遊びとしてそういうことをしていたのですが、やはり高い評価を得て転職していきました。

     一方、ある有名なネットワークゲーム会社のトップに採用したい人材像をヒアリングしたときは、「このゲームのスコアが○○点以上の人」と語っていました。その点数がどれくらいかを尋ねると「自分が3ヵ月間猛特訓してやっと達成できた」レベル。そうしたオーダーを出す企業もあるわけです。

    オタクが求められている分野は意外と幅広い

     以前、オタクという言葉にはどこか揶揄の響きが含まれていましたが、現在は特定の領域に集中しきれる、他のことは捨て置いてまで没頭できるという意味で褒め言葉として使われています。言い方を変えれば、オタクの価値が急上昇していると言えます。

     これまでもピンポイントで強みを持っている人という意味で「尖っている人が欲しい」と言われてきました。ただ、オタクと言われる人はちょっと異なる尖り方で、仕事であるなしにかかわらず、自分の好きなことにとことん没頭するというイメージです。

     ITやゲームの世界以外でも、オタクの価値が上がっている分野はあります。もともと人事は従事している人が非常にオタクになりやすい分野ですし、経理・財務もそうです。意外なところでは営業や販売職でも価値が上がっています。背景には「その分野をよく知っている人から買いたい」という顧客のニーズがあります。

     当社では、別事業で高級システムキッチンの販売も行っています。高価な商品でもあり、中途半端な商品知識の社員が接客するとあまり売れませんでした。ところがシステムキッチンが大好きで、カウンターの素材や石の種類、扉の材質などかなりマニアックな知識を持つスペシャリストが接客をするようになった途端、どんどん売れるようになったのです。

     お客様は当社以外にも競合他社のショールームをまわったり、事前にインターネットでよく調べて知識を仕入れていたりします。ところが当社のスペシャリストはお客様より圧倒的に豊富な知識を持っています。というのも、この社員はインテリアやシステムキッチンに関するオタクで、暇さえあればインテリア関係の雑誌を読み漁り、休みはインテリアを見るために自腹を切って海外の高級ホテルへ宿泊しに行くぐらいなのです。

     以前、お客様から「バリ・ジンバランのフォーシーズンズのような雰囲気に合うキッチンにしたい」とのご要望があったとき、「そうするとこんな感じですね」と返答したところ「ご存じなんですか!」「泊まったことがあります」と話が盛り上がり、成約に至りました。やはり、こうした会話のできる店員はお客様の心を捉えます。

    自分の好きなことに没頭できる人は強い

    量販店の世界を見ていても、専門知識を持つ社員を売り場に配置している企業は業績がよく、中途半端な知識しかない社員を配置しているところは業績が芳しくなくなっているように思います。おそらく、前者は戦略的にそういう方針を取っているのでしょう。私自身、客として行くのはオタク的な専門知識を持つ店員のいるお店です。中には少々腹の立つ接客をする人もいますが、こちらが我慢してもその人から買うだけの価値を感じます。

    「好きこそものの上手なれ」というように、自分の好きなことに没頭できる人は強い。さまざまな分野で専門性が高度化している現在、一つのキャリア開発の方向性として何らかの分野のオタクになる、すなわち自分の好きなことを極めていくのもよいと思います。いわば「公私合体」するのです。

    ただし、注意してほしいのは、中途半端なオタクは必要とされないということ。あくまで企業が求めているのは、他にマイナスな側面があっても補って余りある突出した知識やスキルを持っている人です。何でもそうですが、中途半端な人が役に立つ場面はあまりないのです。

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